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放射療法の手順
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事前に検査をおこない,治療方針や方法を決定
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まず,放射線療法を行う前に,血液検査や画像検査,細胞診などの病理検査を行い,がんの性質や進行度を確認します。
がんの状態や性質を把握したら,根治をめざすのか,症状緩和をめざすのか,治療目的を決定します。
そして,その目的のために放射線,手術,抗がん剤のどれを選択するのがよいのか,あるいはこれらの治療法をどのように組み合わせるのかを検討します。
現在では,多くの場合,複数の治療法を併用する集学的治療を行うため,手術や,抗がん剤をどのように組み合わせるかを,内科や外科の医師も参加して,チームとして討議し決定します。
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正確な照射のために重要な照射位置の決定
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放射線療法を行なうことが決まったら,治療計画作成のためのCT画像またはX線画像を撮影します。
正確な照射のためには,実際に照射を受ける姿勢と位置で撮影することが重要です。
この撮影の際に,放射線の代わりに光を当て,照射位置の中心を皮膚にマーキングします。
また,シェルと呼ばれる樹脂製の固定具にマーキングをする場合もあります。
皮膚に直接マーキングする場合,皮膚のマーカーが消えないように注意し,マーカーのまわりは石けんで洗ったり,こすったりしないように注意しましょう
この照射の位置決め作業を,シミュレーションと呼んでいます。
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治療計画を作成し,実施
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シミュレーションで撮影した画像を,放射線計画装置に送り,照射する線量や角度など,最も適切なものを選び出します。
計画が確定すると,実際に照射に入る前に,照射のリハーサルが行なわれます。
リハーサルでは,毎回の照射をスムーズに行なうために,固定具などの再確認,照射位置を合わせるためのエックス線撮影を行ないます。
実際のには,この画像を計画装置で作成した基準画面と比較し,位置を微調整しながら正確な照射位置を決定します。
照射は,皮膚やシェルのマーキングをもとに,位置合わせをして行なわれます。
照射にかかる時間は10〜20分程度ですが,位置合わせのための時間が多く,実際に放射線が照射されている時間は数分程度です。
ただし,定位放射線療法や強度変調放射線(IMRT)などでは,照射位置の決定にさらに時間がかかり,1時間以上かかる場合もあります。
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治療期間中は検査をおこない,効果を把握しながら対応
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治療期間中は,必要に応じてエックス線検査,血液検査が行なわれます。
効果や副作用の程度を把握することが目的で,開始時に決めた計画とおりに治療を進めるかどうかを判断します。
がんが小さくなった場合,その時点で,がんの縮小に合わせて照射範囲を変更するなど修正していきます。
また,副作用がみられる場合には,対症療法として薬が処方されることもあります。
すべてが終わったら,CT検査などで効果や副作用の有無などを確認し,効果を判定します。
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終了後も定期検査を受け,効果と副作用を確認
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治療が終了したら,通常はそのまま普通の生活ができますが,重い副作用の恐れがある揚合には,入院して様子をみることもあります。
また,再発や副作用などをみるために,定期的な診察が必要です。
退院後一年ほどは再発や転移が起こりやすく,毎月一回の通院が必要です。
治療終了後も五年間は,治療効果や再発・転移の有無の確認,副作用などををチェックするために,定期的な診察が必要です。
特に,遅くなっておこる晩発性放射線障害には注意が必要で,診察をかかさないようにしましょう。
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