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切除不能膵臓がんでは化学放射線治療か化学療法
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膵臓がんは,治療が困難だけでなく,生存率が最も低いがんの一つです。
現在,根治が期待できる方法は手術のみといわれています。
ただし,膵臓がんは進行が速いため,発見も遅れがちで,手術できるのは全症例の2割程度で,その5年生存率は13%程度という厳しいものです。
膵臓がんの治療が困難な原因として,進行が速いだけでなく,早期から浸潤,転移しやすいことがあげられます。
発見された時点で,膵臓がんの多くは切除不能な局所進行がんが占めているので,その場合,化学療法か化学放射線療法が選択されます。
切除不能がんでも,局所進行のみの場合は化学放射線療法が選択され,他臓器への遠隔臓器がある場合は化学療法が選択されます。
ただし,放射線治療において,膵臓は多くの臓器に囲まれているため,膵臓のみに照射することは困難さをともないます。
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膵臓がんの放射線療法
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膵臓がんの治療において,放射線治療が選択されるのは,切除不能な場合で,放射線単独ではなく,抗がん剤と併用される化学放射線療法が中心です。
特に,最近では,術前化学放射線療法を実施する施設も増えています。
この治療法を大阪府立成人病センターでは,2002年から20011年にかけ240例実施し,平均5年生存率は47%と良好な成績をおさめています。
この併用療法で使用される抗がん剤はゲムシタビンやTS−1です。
ただし,この併用療法では,膵臓だけでなく,周囲の臓器の耐容線量が,大幅に低下する場合があり,副作用のリスクが大きくなります。
その他,再発予防を目的とした術中照射が行われることもあります。照射すべきではない他の臓器を手で移動させることができるので,線量も増やすことができます。
また,症状の緩和を目的として,術中照射や外部照射が行われることもあります。
治療の副作用として,抗がん剤と併用した場合,吐き気やおう吐,骨髄抑制や肝障害などが起きる場合があります。
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膵臓がんの粒子線治療
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膵臓は,腹部の奥にあり,肝臓や十二指腸など他の臓器にもかこまれているため,多臓器が放射線の影響を受けやすいという問題があります。
さらに,膵臓は放射線感受性が低く,効きにくいということから放射線療法を困難にしています。
しかし,腫瘍内部でエネルギーを放出し,その後消失する粒子線は膵臓がんには適した治療といえます。
現在,以下の施設で,膵臓がんに対する重粒子線治療がおこなわれています。
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