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脳腫瘍に適応できる治療機器は種類も多い
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放射線治療は脳腫瘍において有効ですが,特に良好な成績をあげているのは,転移性脳腫瘍です。
それは,がん細胞と周囲の細胞との境界が,明確なため,ピンポイント照射には適しているからです。
最近では,抗がん剤と併用する化学放射線療法も行われるようになりました。
また,放射線が照射された部位は副作用として,脱毛は避けることはできませんが,ほとんどの場合,治療後に回復します。
脳腫瘍の治療として,過去40年間使用され,広く認知されている実績もある放射線治療器がガンマナイフです。
ガンマナイフの照射誤差は1mm以内であり,2泊3日程度の入院で治療を終えることができます。
さらに,サイバーナイフ,ノバリス,トモセラピー,陽子線治療,重粒子線治療,ホウ素中性子捕捉療法など,最新の治療器の多くが脳腫瘍に適応できます。
この中で,特に,ホウ素中性子捕捉療法は,選択的にがん細胞を破壊するため,放射線治療が苦手としていた原発性脳腫瘍に適していると考えられます。
このホウ素中性子捕捉療法まだ施設も少なく,研究もはじまったばかりですが,原発性脳腫瘍の治療が可能な治療法として期待されています。
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脳腫瘍の放射線の副作用
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脳腫瘍の治療の副作用としては頭痛や吐き気などの放射線宿酔や頭蓋内圧亢進症状などがみられますが,(頭部照射の副作用参照)一過性のものです。
また,目・耳・鼻の知覚異常が起こることもあります。
また,まれではありますが,脳萎縮,脳壊死,脳梗塞,下垂体機能低下などが晩発性障害としてあらわれることがあります。
これらの副作用は通常の放射線治療より,ガンマナイフなどの定位放射線治療の方がはるかに少ないというメリットがあります。
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原発性脳腫瘍の基本は手術で,放射線療法は補助療法
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すでに,述べたように,放射線治療単独で成果をあげることができるのは,他の部位から転移した転移性脳腫瘍です。
原発性脳腫瘍は,正常細胞との境界が不明瞭なため,で,放射線療法にはあまり向いていません。
原発性脳腫瘍の基本は手術であり,放射線療法は,術後に補助療法としておこなわれたり,手術が困難な部位に対しておこなわれます。
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神経膠腫の治療
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悪性脳腫瘍で最も多いものが,神経膠腫(グリオーマ)です。
この脳腫瘍は,神経細胞と神経繊維の間を埋めているグリア細胞ががん化したものです。
がん細胞の分化度によって,悪性度の低いものから高いものまでT〜W段階に分けられます。
この神経膠腫がん細胞が周囲の正常細胞とまじりあって,拡がっていくため,腫瘍部分だけを切除することは難しいという問題があります。
基本的には手術で切除し,その後取り切れなかった部分や,切除した部分に放射線を照射します。
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髄膜腫の治療
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髄膜腫は,神経膠腫についで多い脳腫瘍ですが,脳を包んでいる髄膜に発生します。
多くは良性ですが,悪性のものもあり,良性でも大きくなるにつれて,脳が圧迫され,死に至るケースもあります。
この頭蓋内圧の上昇により,脳全体が圧迫され,頭痛,嘔吐,意識障害などが起こる他,発生部位によって,けいれん,認知症,運動障害,視野障害などもみられます。
良性でも悪性でも,基本は手術による切除ですが,脳の深い部分に発生している場合は,完全に摘出は不可能なため,術後に放射線治療をおこないます。
ただし,照射により,視神経障害やホルモン分泌に異常をきたす下垂体機能の低下が起きる場合があり,良性の場合はあまりおこなわれません。
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下垂体腺腫の治療
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脳の下垂体から発生する下垂体腺腫の多くは良性の腫瘍で,ホルモンを異常に分泌する腫瘍と,そうでないものとがあります。
成長ホルモンが分泌されると,手足の先が大きくなる末端肥大症などが見られます。
ホルモンを分泌しない腫瘍は,視野の異常や,下垂体の機能の低下などがみられます。
治療の基本は外科手術がですが,手術ができない場合や,手術や抗がん剤治療後に再発をくりかえす場合などに放射線治療をおこないます。
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神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)の治療
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神経鞘腫は,神経を取り巻く鞘(さや)の部位から発生する腫瘍です。
これは脳・脊髄腫瘍の一種ですが,多くの場合,良性の腫瘍です。
ただし,良性でも放置しておくと,近くの他の神経を圧迫し,聴力障害,頭痛,吐き気,顔面神経麻痺,運動麻痺,意識障害などを引き起こします。
手術で完全に摘出できる場合は手術が第一選択肢で,治癒が期待できます。
ただし,手術は,難度も高く,聴力などを失うケースもあり,最近では放射線治療で治療するケースが増加しています。
ガンマナイフは特に有効ですが,腫瘍の大きさが3cm未満に限定され,それ以上の大きさでは,通常のリニアックによる定位放射線治療がおこなわれています。
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