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放射線治療のメリットとは
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近年,放射線治療機器の技術革新はめざましく,大きな進歩を遂げています。
放射線療法の理想は「がん細胞には最大の線量を与え,正常細胞には最小限の線量で治療すること。」といわれています。
すなわち,「がん細胞のみに集中して放射線を浴びせ,周囲の正常細胞には影響を与えないピンポイント照射」が理想です。
現在では,この理想に向けての技術革新により,がん細胞へのピンポイント照射が可能となり,その治療成績も大きく向上しました。
ところが,このように治療効果が高まったにも関わらず,日本では10年前と比較して,放射治療を受ける患者は2倍になったとはいえ,それでも全体の25%にすぎません。
これに対して,欧米ではがん患者の約60%が放射腺療法を受けています。
この原因として考えられることは,いまだ,日本では「がん治療は手術が基本」という考え方が根強く,残っているからです。
確かに,胃がんや大腸がんなど手術が最も治療の根治性が高いがんもありますが,その他の切らなくても,放射線治療で治るがんまで,切除されているといった実態があることは否定できないでしょう。
「どうせなら,がんをきれいにさっぱりと手術で切除してくれたほうが安心だ。」と考える患者の方も少なくないようです。
しかし,がん細胞は目にみえないものであり,手術をして取り切ったようにみえても,目にみえないがん細胞が存在し,そこから再発,転移するというケースはよくあることです。
すなわち,手術で切り取るから確実性・根治性が高いとは一概にはいえないのです。
さらに,手術では合併症や臓器切除による術後のQOLの低下のリスクもあります。
医師から,手術をすすめられても,セカンドオピニオンを受けるなどして放射線治療の可能性を調べることも大切なことです。
たとえば外科医が担当した場合,自分の専門である手術ではなく,放射線治療をすすめてくれることは難しいといえます。
最近ではチーム医療が普及し,外科や放射線科,内科が連携しあって,ベストな治療法を提案するすぐれた施設もありますが,このような施設はまだ,一部であるといえるでしょう。
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