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放射線が効きやすいのは有棘細胞がんや基底細胞がん |
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皮膚は外側から,表皮,真皮,皮下組織で構成され,,この中の表皮は外側から角化層,透明層,顆粒層,有棘細胞層,基底細胞層に分けることができます。
皮膚がんは,この表皮から発生し,有棘細胞がんや基底細胞がん,メラノサイトから発生する悪性黒色腫(メラノーマ)などがあります。
日本人に発症する皮膚がんの大部分は,有棘細胞がんと基底細胞がんです。
この中で,悪性黒色腫(メラノーマ)は放射線感受性が低く,放射線治療が有効な皮膚がんは有棘細胞がんや基底細胞がんです。
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悪性黒色腫(メラノーマ)
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悪性黒色腫(メラノーマ)の発症数は日本人では欧米人の1/10と数は少ないものの,初期は通常のほくろと区別がつきにくく,早期から転移が起こりやすいたちの悪い皮膚がんです。
欧米人が多いことからも,発症の原因として紫外線の関与が考えられています。
この悪性黒色腫(メラノーマ)は全身の皮膚のあらゆるところに発生する可能性があります。
男性では,体幹部(肩と腰の間),頭部,頸部に,女性では,上肢および下肢に発生するケースが多いといわれています。また,足の裏に発生することもあります。
悪性黒色腫(メラノーマ)は放射線の感受性も低いため,手術による切除が基本となります。
メラノーマは進行性がきわめて速いため,腫瘍を確認できる部位よりも,広範囲で切除します。(広範囲局所切除術)また,リンパ節の一部も切除される場合もあります。
放射線治療が行われるのは,病期W期で緩和目的でおこなわれるケースであり,手術不能な場合や脳や骨に転移した場合に実施されています。
一部の施設では,リンパ節転移への術後照射や再発予防を目的とした照射をおこなっています。
また,この悪性黒色腫(メラノーマ)は,目に発生することもあり,この場合手術はできないため,病期にかかわりなく,放射線治療がおこなわれています。
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有棘細胞がん
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有棘細胞がんの原因として,紫外線の関与が考えられています。
有棘細胞がんの治療法として,手術の他に放射線療法,抗がん剤治療や凍結療法などがあります。
凍結療法とは,液体窒素を使って,がん細胞を凍結壊死させる治療法です。
浸潤の浅いがんや高齢や身体の具合の悪い場合にも適しています。
有棘細胞がんは皮膚がんの中でも放射線療法がよく効きます。
このがんの治療では,エックス線や電子線で身体の外側から照射する方法が一般的です。
病期T期〜U期では根治を目的とした照射が,V期では手術で切除できなかった場合の術後照射がおこなわれます。
放射線治療は特に顔の皮膚に発生した場合,眼,鼻,耳など感覚器官付近に発生した場合など,機能温存や整容性維持という面からもメリットの多い治療法といえます。
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基底細胞がん
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基底細胞がんは全体の約80%が頭と顔に発生することから,紫外線が原因の可能性として最も高いと考えられています。
治療法は,外科療法が中心で,腫瘍よりも0.5cmくらい皮膚の切除範囲を大きくし,皮下脂肪組織の十分な深さまで切除します。
皮膚の欠損が大きい場合には,皮膚移植をおこないます。
放射線治療が実施されるのは,腫瘍径が大きく十分な切除ができないケースが多いようです。
たとえば,唇やまぶたなど,完全な切除ができない症例や顔など美容上の理由で十分な切除ができない症例に対しておこなわれています。
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皮膚がんの副作用
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急性期の副作用としては,紅斑や色素沈着などがみられることがあり,照射量が多い場合など,水疱や潰瘍などになることもあます。
晩期障害としては,皮膚の色素が抜けたり,毛細血管の拡張や脱毛などがみられることがあります。
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