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悪性リンパ腫は放射線が効きやすいがん |
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悪性リンパ腫は放射線治療効果の高いがんです。
悪性リンパ腫は免疫細胞のリンパ球ががん化したもので,その細胞型の分類からホジキンリンパ腫とそれ以外の非ホジキンリンパ腫とに分けることができます。
ホジキンリンパ腫か非ホジキンリンパ腫かで,治療法は大きく異なりますが,どちらであっても,放射腺感受性が高く,悪性リンパ腫において,放射線療法は重要な役割を果たしているといえるでしょう。
また,悪性リンパ腫は抗がん剤の薬剤感受性も高く,抗がん剤単独でも治療が可能でありますが,放射線療法と併用される場合も多くあります。
悪性リンパ腫はそのがんの性質上広く広がっていることも多く,放射線をピンポイントでなく,広く照射する必要があります。
リンパ腫が一カ所に,連続して広がっているような,病期T期〜U期の場合は,放射線単独で根治が可能です。
一方,リンパ腫が二カ所以上にまたがって広がっている場合には,抗がん剤と併用されます。
また,がんが進行した場合でも,がん細胞を減らし,疼痛を緩和する目的や延命目的で,放射線治療がよくおこなわれています。
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非ホジキンリンパ腫
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悪性度の高低や病期によって治療法も異なり,低悪性度の病期T期〜U期では, 経過を観察することもありますが,放射線治療を行う治療が一般的で,根治が期待できます。
また,化学療法による治療も行われ,よく使用されるものとしてドキソルビシン,ビンクリスチン,シクロホスファミドなどがあり,U期であれば寛解率は約80%と言われています。
非ホジキンリンパ腫の中でも濾胞性(ろほうせい)リンパ腫では,微少ながんが全身に広がっている場合があり,放射線療法と共に,化学療法や免疫療法が併用されることもあります。
一方,中高悪性度の非ホジキンリンパ腫では,進行が早い反面,抗がん剤がよく効くという性質もあり,病期がU期以上場合,多剤併用化学療法が行われます。
また,このような化学療法をおこなった後に,放射線治療をおこなうことで,副作用を抑えつつ,高い治療効果を得ることができます。
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ホジキンリンパ腫
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ホジキンリンパ腫は日本人で発症することはまれといわれていますが,一般に低悪性度です。
放射線に対する感受性も高く,病期T期では放射線療法のみでも5年生存率は約90%に達しています。
T〜U期で腫瘍が一カ所に限局している場合は放射線療法が中心となります。
以前は標準的な治療として,リンパ腫の病変の存在する部分を中心に,広範囲に照射を行っていました。
しかし,広範囲の放射線治療では,二次発がんや放射線性肺臓炎や心嚢炎などの生命を脅かすような副作用がみられることがありました。
そこで,最近の治療では,化学療法と放射線療法の併用療法が中心で,照射領域を縮小する傾向にあります。
また,病期V〜W期では抗がん剤治療が中心で,アドリアマイシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン,ダカルバジンの4剤併用療法(ABVD療法)が標準とされています。
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悪性リンパ腫の副作用
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副作用は照射部位によって,その部位特有の副作用がみられます。
たとえば,頭部では,頭痛や吐き気,頸部では味覚障害,口内炎などが,胸部では嚥下障害,腹部では下痢,血便,食欲不振などが見られます。
特に,抗がん剤と併用した場合は骨髄抑制や肺炎などが起こりやすく注意が必要です。
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