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放射線治療・放射線療法−はじめに
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現在,がん治療において,効果が証明されている治療法は,外科手術,化学療法,放射線治療の3種類であり,三大治療として確立されています。
また,これ以外には免疫療法など代替療法と呼ばれる治療法があります。
これらの中で,根治が可能な治療法は手術と放射線治療であり,抗がん剤だけで根治が期待できるのは,白血病や悪性リンパ腫など血液のがんに限られます。
がんの治療法は選択肢がいくつもありますが,患者としてはQOL(生活の質)を下げずに根治も可能な最善の治療法を選択したいものです。
しかし,医師が提示してくれる治療法が必ずしもベストな治療法と言い切ることはできません。
なぜなら,それぞれの医師には得意とする専門分野があり,その範囲内で治療法を提示することが多いからです。
現在,放射線腫瘍医と呼ばれる専門の医師は,
「放射線療法を選択してくれるなら切らなくても治療できたのに。」
「手術されて,しかもQOLを下げている。」と,
そのメリットが一般の人に十分に理解されていないことを残念に思う方が多いようです。 |
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手術の技術は,特に胃がんなど,日本は世界的にみてもトップレベルであり,がんにおいて,日本の外科手術の評価は世界的にも高いといえます。
欧米ではがん患者の60%が放射線治療を受けています。これに対して日本では25%の患者しか受けていません。
日本は手術大国と呼ばれるように,「がんはまず切除から」という観念が強く,がんと診断されると外科医にまわされ,手術中心で治療計画が立てられることが多いのです。
先にも述べたように,切除しなければ,その機能は温存でき,QOLの低下も避けられます。
たとえば,乳がんはかつては多くの場合乳房全体を切除していました。ところが現在では,腫瘍の部分のみ切除して,放射線を照射することで,乳房も温存できるようになりました。
また,前立腺がんでは,手術と同等の成績をおさめており,放射線療法ならば,神経へのダメージも少なく,男性機能が維持できる可能性も高くなります。
喉頭がんでは,早期の場合,手術と同等の成績をあげており,さらに声帯機能も維持できます。
また,肺がんにおいても,IMRTによる放射線治療では,早期がんでは,手術と遜色ない成績をおさめています。
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